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日本商業新聞

【2024/9/2 日本商業新聞】化粧健康法プログラムの復活を / 専門店も強みを発揮 / 原点は「肌に触れる活動」

2020年以降、新型コロナの影響は、多くの化粧品専門店に大きな影響を及ぼした。その一番が「肌に触れる活動」で、コロナ禍の数年間、肌に触れられなかっただけでなく、活動からも遠ざかっていたことで、生活者やお店では、肌に触れることに戸惑いのようなものが生まれてしまっているようにも感じる。ただ、「肌に触れる活動」は、生活者との関係性づくりや、専門店としての強みを発揮するために欠かせない活動であり、ここにきてさらに期待を高めているお店も増えている。コロナ前のように「肌に触れる活動」を拡げるために何が必要なのか。(半沢)



■化粧健康法プログラムの復活を - 専門店も強みを発揮


先日、ある化粧品専門店に取材で訪れた。関東近郊にある町の中心に位置する路面型のお店で、町の人口もさほど多くなく、お世辞にも恵まれた立地とは言えない。


従って、来店するお客様のボリュームゾーンは50代以上の既存客となる。そのため、店頭活動も一人ひとりの「キレイ」を見つけて、そのお客様らしくあってもらうことを意識して取り組まれている。中でも特に注力しているのがホームケアであり、そのためお店では普段のお手入れが正しく出来ているのかを重要視し、定期的にお手入れ方法だけでなく使用量やステップ、使用美類等を細かくレクチャーする。


お店の奥様は「毎日のお手入れがきちんと出来ていれば必ず効果は出ますし、定期的に肌状態を確認させていただくことで、季節や肌状態に合った化粧品やお手入れの提案が出来ます」と話す。


このお店では、化粧(美容)を通じて、自分が望む肌状態で在り続けてもらい、充実した日々を送ってもらうことを大切にしており、まさに専門店の在るべき姿だ。


そんな路面店らしい活動に取り組むお店の今一番の課題は「肌に触れる活動が以前に比べて十分ではないこと」だという。2020年以降、新型コロナの影響で、店頭では肌に触れる活動は当然、外出そのものも自粛を余儀なくされ、多くの専門店で大きく影響を受けたのは記憶に新しい。


今はコロナも収束し、客足こそ回復してきているが、それでも「肌に触れる活動」はコロナ前の状態には戻っておらず、それはこのお店だけではないだろう。その背景には、この数年、「肌に触れる活動」から遠ざかっていたことで、生活者だけでなく、お店でも「肌に触れる活動」に戸惑いのようなものが生まれてしまったのではないのか。


そこで記者が注目したのが「化粧健康法プログラム」である。コロナ禍直前の2020年、全粧協と資生堂がタッグを組んで取り組んでいた活動で、資生堂が長年研究してきた美容を通じて健康を目指す化粧療法の知見を生かしたものだ。美容と健康に高い意識を持つシニア層に向けた新たな提案として高い期待が寄せられていたが、全国各地で導入セミナーがスタートした直後、コロナの拡大で「肌に触れる活動」が出来なくなり、その活動は一旦ストップされ、それは今も続いている。また、全粧協でも何もしていない訳ではなく、「化粧健康法プログラム活用ブック」を制作し、各ブロックに配布しているが現状を見る限り、活用しきれていない。



■原点は「肌に触れる活動」


今年度、全粧協の活動方針は「化粧品専門店としての原点に立ち返り人との関わりにこだわって強みを発揮する」。専門店の原点とは「肌に触れること」であるのは言うまでもない。今の生活者において「健康」や「美容」への関心度は高く、美容を通じて健康を目指していく取り組みならば、多くの生活者に興味を持ってもらえる取り組みと言える。そして、何より「化粧健康法プログラム」を通じて、ごく自然に肌に触れられることも大きな利点だ。実際、多くのお店から「健康健康法プログラム」の復活を望む声を耳にしている。


正直、美容部員の派遣問題やお店のスタッフ不足等、クリアしなければならない課題があるが、それでもお店のスタッフだけで対応出来るのも事実。生活者の日常が戻った今、もう一度この取り組みに挑戦し、化粧品専門店の強みやこだわりを生活者に体験してもらう、それを通じて、その地域に欠かせない存在となってもらいたい。

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