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日本商業新聞

【2024/9/9 日本商業新聞】専門店の魅力+お店の魅力 / 枠組みを超えた魅力 / その地域での存在感重要

最近、化粧品専門店を取材していて感じることがある。それは専門店、あるいはお店としての魅力(強み)が、ここにきてさらに拡がりを見せていること。その背景には、これまで、どの専門店においても、肌に触れる活動と生活者個々に寄り添った提案という、いわば化粧品専門店の魅力(強み)に、お店独自の活動を加えることで、地域での存在感や独自性を高めているお店が増えている。今後、競争環境が厳しくなる中、化粧品専門店としては勿論、お店としての魅力や存在感を高めることが益々重要になってきている。(半沢)



■専門店の魅力+お店の魅力


「化粧品専門店」の魅力とは、質や機能性の高い化粧品を取り揃え、肌に触れる活動を通し、その生活者一人ひとりの肌質や肌悩み、求める美しさやライフスタイルに合わせて提案することで、それは「パーソナライズされた取り組み」とも言えるだろう。長年にわたり、多くのお店では個々の生活者に寄り添った提案をすることに徹しており、その地域における大事な存在となっていることは言うまでもない。


そうした中、幾つかの専門店を取材していくうちに、そうした化粧品専門店としての取り組みに加えて、お店での独自の取り組みが加わり、いわば化粧品専門店という枠組みに収まらない魅力を発揮しているお店が確実に増えている。


ある地方の路面店ではこの数年のメンズコスメ需要の高まりを受け、男性客への取り組みを強化。面白いのは、品揃えの強化だけではなく、男性オーナー自ら男性が多く集まるゴルフ場でサンプリング活動を実施することで、少しずつだが男性客の裾野を拡げているとのこと。この活動は数年前から取り組んでおり、夫婦でお店を訪れるケースも増えていて、今では地域のちょっとしたコミュニティにもなっているそうだ。


また、これも路面店でのケースだが、お店の新たな差別化のポイントとして、地域活性化を目的に、その地域の魅力を広く発信するリアルイベントを定期的に実施している。お店の認知度を高めるだけでなく、その地域のランドマークとしても広く知られるようになり情報発信の拠点として地元住民に広く愛されるお店となっている。



■枠組みを超えた魅力


先ほど記した通り、化粧品専門店の魅力は、生活者一人ひとりに寄り添ったパーソナライズな取り組みに尽きるし、今後もそれが一番の魅力であることに変わりはない。ただ、もう少し俯瞰的に見ていくと、生活者個々に最適な提案をしていく一方で、お店を取り巻く環境や周辺の立地、来店される顧客のボリュームゾーンとなる「年齢」や「客層」に鑑みていけば、自然とそれぞれ異なる活動の傾向が出てくる。冒頭で記した専門店としての魅力に幅の拡がりを感じるようになった背景には、化粧品専門店としての魅力をベースにしながら、お店を取り巻く環境に合わせた活動が加わることで、化粧品専門店としてだけではなく、そのお店としての魅力を発揮している専門店が増えたからではないだろうか。



■その地域での存在感重要


当然、どの専門店でも化粧品専門店の魅力である、生活者一人ひとりの肌質や肌悩み、求める美しさやライフスタイルに合わせた提案に徹底して取り組んできた。ただ、それはあくまでも専門店としての魅力で、化粧品を取り扱う様々な小売業があり、益々競争環境が厳しくなるのは確実な今お店としての存在感をさらに発揮するには、そこにお店独自の活動で差別化を強め、地域での存在感を高めていくことが大事ではないだろうか。


その差別化は、そのお店で買い物をすることにロイヤリティを感じる顧客を増やし、結果、顧客満足だけでなく、リピート率を高めることにもなるのではないか。


そう考えていくと、これから化粧品専門店にとって大事なことは、化粧品専門店としての魅力を磨くこと、そして、独自の取り組みや提案を早く見つけて取り組み、お店としての魅力や存在感を発揮していくことだと記者は考える。その差別化戦略を成功させるためには、お店とメーカー営業が顧客ニーズや地域特性をしっかり分析して、「お店の強み」「お店にしか出来ないこと」に力を注いでいくことに尽きる。

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